不動産について

【不動産の基礎知識】路線価と地価公示について【違いと特長を説明します】

先日「2018年度(1月1日時点)路線価」の発表がありました。

今回も銀座「鳩居堂」前が1位で1㎡あたり4,432万円(前年比9.9%)となっており、2年連続バブル期を超える過去最高価格ということで話題になっています。


ところで、この「路線価」。皆さん何の価格かご存知でしょうか。実はこの価格、土地の販売価格ではないのです。ご存知でしたか?


では一体この路線価とはどういった価格なのでしょうか。また似たような価格基準で「地価公示」というものもありますよね。

こちらはどういった指標なのでしょうか。不動産に興味のある方ならこの辺りはきちんと把握をしておいた方が良いでしょう。


ということで今回は「不動産に関わるなら知っておくべき、路線価と公示地価の違い」について記事にしていきます。


路線価とは

国税庁が発表するもので、道路に面する宅地(土地)の1㎡当たりの価格のことです。

相続税や贈与税の算出基準となる指標で、この価格をベースに、角地であることや間口の大きさによる補正がなされて算出されます。税金にかかわることなので国税庁が発表するのですね。

特長は?

土地を取引する際の基準となる「地価公示」の約80%として計算されます。

これは時価の変動に対応するためですが、この差こそが不動産相続が節税になるといわれる理由でもあります。つまり1億円の時価(販売価格)であっても相続税の評価額は8,000万円となるのです。※あくまで1億で売れるかどうかは可能性があるということですので、マイナスになる可能性もあります。


また、2018年度の調査地点数は33万1千地点と、地価公示の10倍程度(地価公示は約2万6千地点)の地点を調査しており、地価公示では相場が調べきれない場所まで調査をすることができます。

今回の発表はどんな結果だったか

今回の発表を見ると、全国平均で前年比0.7%上昇、伸び率も前年より拡大をしたということで全国的に路線価は上がっている模様です。

特に、都心部、京都はインバウンド需要により大幅に上昇し平均を押し上げている印象です。再開発地域も上昇の要因になっているようです。

しかし、人口減少などが著しい地方部に関しては大幅な下落も見られており、上昇と減少の二極化が鮮明になってきていることも覚えておいた方がいいでしょう。

http://www.rosenka.nta.go.jp/


地価公示とは

一方、地価公示は毎年3月に国土交通省から発表される指標で、標準値1㎡あたりの価格です。

こちらも路線価と同様に実際の取引価額ではないですが、おおよそ取引の際の価格の目安とすることができます。全国約26,000地点を標準地として算出されています。

特長は?

毎年同じ標準地の価格を調査するので、そこの地価がどのように変動しているかを把握するには最適な指標といえます。

2019年度からは「不動産鑑定士」の評価書も閲覧することができるので、より詳細な変動率、情報、これからの予測なども知ることができるようになりました。

土地情報システム
http://www.land.mlit.go.jp/webland/

最新の発表ではどうなったか

2019年3月19日、国土交通省が地価公示を発表しました。

地価の高額地点ランキング第1位は、路線価の鳩居堂前同様に毎年恒例である、銀座の「山野楽器銀座本店」で1㎡あたり5,720万円とのことです。

また、全国平均は4年連続で上昇し、上昇基調を強めています。用途別では、住宅地は2年連続、商業地は4年連続で上昇。三大都市圏以外の地方圏においても全国的に上昇をしており、不動産価格が全国的に高くなっていることがわかります。

ここまで価格が上昇すると不安にもなりますが、これはバブル期のような高騰ではなく、インバウンド需要などの実需が中心として価格を押し上げていると考えられます。

まとめ

ということでまとめると、

  1. 土地価格の目安を知るために「路線価」や「地価公示」は利用できる。
  2. 「路線価」は「地価公示」より調査地点が多いのでより厳密に知りたい地点の価格目安を知ることができる。
  3. 「路線価」は「地価公示価格」の80%で計算されるので、「路線価」に1.25を掛けると取引価格の目安を知ることができる。
  4. 「地価公示」は不動産鑑定士による鑑定と国の審査を得ており土地取引の参考にできる。
  5. 「地価公示」は毎年同じ地点を標準地にするため、地価変動の参考に最適。

また、固定資産税の算定基準となる「固定資産税路線価」という指標もあり、こちらも参考にすることができます。

こちらは地価公示価格の70%で計算されるので、1.4を掛けることで目安を出すことができます。ただし「固定資産税路線価」については3年に1度の発表なのでその期間中で街の評価が大きく変わってしまう可能性があることにご注意ください。

これらの指標をよく覚えておき、相続や不動産売買の際には参考にしていただければ幸いです。

本日は以上です。ありがとうございました。

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