【マンション売却】不動産会社の査定方法・確認ポイントを解説

不動産会社にマンションの売却を依頼する際には、査定を依頼するのが一般的です。査定とは、不動産会社の専門家が、マンションの価値を評価する手続きで、査定の結果をもとに、売り出し価格が決まる重要なポイントです。

そこで今回は不動産会社の査定とは何なのか？どのように査定をするのか？を解説していきます。

査定の種類

不動産会社の物件査定には、大きく分けて2つの方法があります。

簡易査定（机上査定）

簡易査定は、物件に関するあらゆるデータ（アクセス、築年数、土地や物件の広さ、間取りなど）や、類似物件の売り出し価格や実際の売却金額、市場動向などを加味して、概算的な査定を行う方法です。査定結果は、数日程度で出るのが一般的です。

簡易査定は、無料で受けられることが多いため、まずは簡易査定を受けて、売却の検討をしてみてもよいでしょう。

訪問査定

訪問査定は、不動産会社が実際に物件を訪問して、建物の状態や土地の状況、周辺の環境を調査し、売主へのヒアリングに基づいて不動産の売却予想金額を算出する査定方法です。机上査定よりも正確な査定価格を算出することができ、この査定額を基準にして売り出し価格を決定することになります。

訪問査定は、実際に不動産会社の担当者と面談して行うため、実際に会って不動産会社を見極める判断材料になる点が大きなメリットです。査定結果は、1週間～2週間程度で出るのが一般的です。

査定方法

不動産会社の物件査定では、主に以下の3つの方法が用いられます。

取引事例比較法

取引事例比較法とは最も一般的に用いられる査定方法で、周辺の類似物件の売買事例を参考に、査定価格を決める方法です。周辺の類似物件の売買価格や築年数、間取り、設備などを比較して、査定価格を算出します。

この手法による試算価格を「比準価格」といいます。

取引事例比較法は、現実の市場において成立した取引をその基礎としているため、近隣地域や同一需給圏内の類似地域などで対象不動産と類似の不動産の取引が行われている場合に有効です。

原価法

原価法とは、不動産鑑定評価において、不動産の価格を求める際に用いられる手法のひとつです。原価法では、価格を評価される時点における、対象となる不動産の再調達原価を算出し、これについて減価修正を行なった上で、対象不動産の価格を求めます。

原価法は、主に戸建の建物、さらに言えば中古戸建の建物部分を査定する場合に使用される算出方法です。

原価法による資産価格は、積算価格と呼ばれます。積算価格を求めるためには、対象不動産を再建築した場合の再調達原価がいくらくらいになるかを割り出さなければなりません。そして、そこから建築後の経過年数による価値低下分を割引きます。

原価法の計算式は「再調達単価 × 延床面積 ÷ 耐用年数 × 残存年数（耐用年数－築年数）」で、それぞれの値を入れることで査定額が計算可能です。

収益還元法

収益還元法とは、マンションの将来的な収益性をもとに、査定価格を決める方法です。マンションの賃料収入や諸経費などをもとに、キャッシュフロー（CF）を算出し、そのCFから適正な利回りを算出します。算出した利回りを元に、査定価格を算出します。

収益還元法は、収益物件（投資物件）の査定に用いられる方法です。

査定結果の確認ポイント

査定結果は、不動産査定書という書面で受け取ります。査定結果には、以下のような内容が記載されています。

• • 査定価格
  • 査定方法
  • 査定に用いたデータ

不動産査定書には、査定額とともに、その根拠となる明細が記載されています。査定価格の根拠となる要素としては、建物の築年数、新耐震基準の適合性をはじめ、外装や内装、設備などが挙げられます。

査定結果を受け取ったら査定価格だけでなく、その根拠も確認することが重要です。査定報告を受けるときに不動産会社に確認する5つのポイントは次のとおりです。

複数の不動産会社に査定を依頼する

不動産会社の査定結果は、会社によって異なる場合があります。そのため、複数の不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。複数社から査定結果を比較することで、より適正な売り出し価格を決めることができます。

査定のポイントまとめ

不動産会社の物件査定を受ける際には、以下の点に注意しましょう。

不動産会社の物件査定は、マンション売却の第一歩です。査定の結果を参考に、適切な売り出し価格を決めましょう。