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クリーンミート(培養肉)とは何か?【トレンド分析】

皆さんはクリーンミートという言葉をご存知でしょうか?


私は投資の勉強の際によく耳にするようになりました。そして、この技術は今の段階からしっかりと理解しておいた方がいいと感じました。


そこで本記事では、食品業界のみならずESG、SDGs関連で注目されるワードである「クリーンミート」についてそのメリット・デメリット、成長性などを解説いたします。

こんな方におすすめ

  • クリーンミートが何かわからない
  • クリーンミートのメリット・デメリットを知りたい
  • クリーンミート市場の成長性が知りたい

クリーンミートとは

クリーンミートとは培養肉と呼ばれる食品です。動物を殺さない、飼育による環境破壊がない、工場型畜産の汚さがない、という点がクリーンとされています。


なかでも重要なのが環境への影響です。今世界で環境改善として取り組まれているのが、温室効果ガスの削減です。


家畜はかなり多くの温室効果ガスを排出すると言われていて、世界の温室効果ガス排出量の内約20%は畜産業が占めているそうです。温室効果ガスの中でも、家畜が排出するメタンガスはCO2よりも何十倍も温室効果があるので、地球環境への影響はとても大きいといえます。


また類似で「プラントベースミート」つまり代替肉と呼ばれる植物由来の肉もあります。こちらは動物を殺さないどころか、細胞培養でもなく大豆等の植物性タンパク質をもとにお肉に似た食感の食べ物を再現しているため代替肉と言われています。


そして、代替肉はすでに実用化されており、アメリカのバーガーキングではメニューに組み込まれるなど、急速に注目を集めています。


なお、クリーンミートの技術はクローン技術ではないので、牛などの動物自体を作るわけではありません。あくまでも細胞を培養して可食部分のみを擬似的に作ることを指します。


クリーンミートのメリット

クリーンミートを開発することで考えられるメリットを解説します。

食糧不足を補える

食料として肉を確保できるという点はもちろんのこと、畜産に使われる穀物(エサ)も節約することができるので、普及してくると世界の食糧不足が解消できる可能性があります。


温室効果ガスの削減

上述の通り、畜産のあらゆる場面で発生する温室効果ガスはとても大きな割合を占めており、世界的に見過ごせない現状があります。


メタンガスを抑える餌や飼育方法もあるようですが、生産者からすると手間とコストがかかるが売り上げにはつながらないというジレンマもあり、なかなか浸透していません。


それであれば、そもそも家畜自体が少なくても済むような、こうしたイノベーションは意味のあることといえます。


環境に配慮した消費という価値感の充足

エシカル消費とも言われていますが、アメリカのミレニアル世代は健康志向や自然志向が強いです。


食品であれば、社会性の視点に加えて、原 材料、原産地、栽培方法などを重視する。自分の体に入る食品が、健康に良いものか、より自然なものかを常に意識するという研究結果※もあります。

※経済同友会 ミレニアル世代にみる米国の社会思潮変化 2015 年度 米州委員会米国ミッション <報告書>より

こうしてこれから消費の中心となっていく世代に受け入れられることも社会にとって重要なことです。


クリーンミートのデメリット

私たちがクリーンミートを購入したり、食べるにあたって考えておくべきデメリットを解説します。

安全性

口に入れるものなので一番不安なのは安全性だと思います。その点クリーンミートは確実に安全かどうかがすぐに判断できないという点がデメリットといえます。


クリーンミートは動物の細胞から作られているので成分としてはおそらく安全といえます。実際アメリカでは食品医薬品局(FDA)が代替肉について安全性を調査し、代替肉に関しては承認を得ています。このように市場に出てくる段階で安全性の証明はどんどんされていくでしょう。


衛生面について考えられるのは細胞の培養時に細菌が混入する危険です。通常の食肉加工の過程と比べると、細胞の培養ということで、より厳重な管理が求められるはずです。量産体制に変わった時にこの点をうまくカバーできないと市場には受け入れられないでしょう。


それでも実際は工場畜産の衛生面などと比べると格段に清潔な環境で製造されていることは明確です。今後はこの心理的な面でのハードルをいかに超えていくかがポイントとなりそうです。


コスト

培養肉については開発当初は1つ(200g程度)で3,000万円もかかるという高額なものでした。


今でもコストは最大のネックとなっており、なかなか商品化できない要因でもあります。それでも研究が進み大量生産できる体制が整えば、一気に安くなる可能性があります。


すでに商品化されている代替肉も、他のお肉よりは高い価格設定となっており、現状はプレミア感やエシカル消費に対応した商品という位置づけになっています。


クリーンミートは投資対象となるか

これから大きく市場規模を伸ばしていくであろうクリーンミートや代替肉ですので、今のうちから投資をしておきたいという方もいると思います。


日本国内では、日本ハム、丸大食品、大塚HDなどが代替肉の研究を進めており、商品化できるところまで進んでいるものもあります。


また、日清食品HDは培養肉について研究・開発を積極的に行っており、世界初の培養ステーキ肉の作製に成功をしています。


大手商社の三井物産は、米国スタートアップのビヨンドミート社に出資をしています。これらは日本の既存企業ですが今後クリーンミートの分野で大きく株価を伸ばす可能性があります。

その他クリーンミート関連分野の専門企業は以下の企業があります。


上場企業・非上場企業がありますが、非上場企業の中で、今後上場を検討している企業もありますので、覚えておいた方がいいでしょう。

インテグリカルチャー

https://integriculture.jp/

細胞培養で新しいカルチャーを作り、持続可能な社会実現を目指すことを目的とした企業です。

2015年設立の日本では数少ない細胞培養の研究・開発を行うスタートアップです。


社長の羽生さんは日本初の人工培養肉プロジェクト「Shojinmeat Project」の代表も務めています。クリーンミートに特化した研究はこちらで行われているようです。


Beyond Meat

https://www.beyondmeat.com/

アメリカの代替肉開発のスタートアップです。


上場も果たしており「ビル ゲイツ」、「レオナルド ディカプリオ」などの個人投資家、日本では三井物産も出資するなど世界で注目される企業です。


「ビヨンドバーガー」、「ビヨンドソーセージ」など既に多くの商品開発がされており、小売店では肉として実際に販売も開始されています。

Impossible Foods

https://impossiblefoods.com/

アメリカでビヨンドミートに次ぐ代替肉開発企業として注目されています。同社の開発した「インポッシブルバーガー」はアメリカのバーガーキングでメニューに採用されるなど、その味も含めて大きな注目を集めています。


今はまだ他のメニューより割高でプレミア感のある変わり種メニューの位置付けのようですが、大衆に受け入れられた時には同社の企業価値も爆発しそうです。


また、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認も得ており、小売店での販売も開始される予定です。

Memphis Meats

https://www.memphismeats.com/

上記のアメリカ2社が代替肉分野を中心として業界をリードするのに対して、こちらの「Memphis Meats」は培養肉分野で業界をリードする企業です。


培養肉は非常に開発が難しくまだまだ実用化するには至っていませんが、ここ数年以内に商品化できることを目指して研究・開発が進められています。


日本ではソフトバンクグループが出資をしています。


ETF商品も出てきている

2019年9月には、ヴィーガンと気候変動対策のためのETF(VEGN:US)が米国証券取引委員会に登録され、2020年1月から投資受付を開始しています。

ヴィーガンの方が安心して購入できるよう銘柄が構成されており、上位を見ると「アップル」「マイクロソフト」「フェイスブック」など一見ヴィーガンとは無関係の企業に見えますが、この銘柄を買うことでどれくらい地球環境に貢献できるかも明示されており、ESG銘柄の一つとして人気を得ています。


クリーンミートの成長性

最後に市場規模から世界がクリーンミートをどう捉えているか。大きな流れを知っておきましょう。


代替肉に関して、農林水産省が発表している調査資料によると市場の今後の見通しは以下の通りです。

アメリカの金融機関 JP モルガン・チェース(JPMorgan Chase)は、植物肉の市場規模は15年以内に1,000億ドル(約11兆円)を超えると推計、またイギリスの銀行 のバークレイズ(Barclays)は10年以内に世界で販売される肉全体の約10%、最大1400億ドル(約15兆円)相当を「代替肉」が占めると試算(出典:AFP 通信 2019 年6月17日)している。市場調査会社のジオンマーケットリサーチ(Zion Market Research)の推計によれば2018年に119億ドルだった植物肉の世界市場の規模は、2025年には212億ドル(成長率78%)になる(出典:日本経済新聞2019年9月6日)と予測している。各社の予測は独自の前提条件にもとづく推計のため相互の整合性はないものの、いずれも市場拡大を予測している。

農林水産省発表資料より https://www.maff.go.jp/j/jas/attach/pdf/yosan-27.pdf

培養肉に関しては「Markets and Markets」が2022年で1,550万ドル(約17億円)、その後、年平均4.0%で成長し、2027年には2,000万ドル(約22億円)に達すると予測しており、代替肉に比べると低い数値ですが今後も成長が見込まれる業界です。

まとめ

クリーンミートの現状と成長性、我々への影響などを考察してきました。


クリーンミートは近年現れたまったく新しい取り組みではありますが、実際に市場に受け入れられて成長を見込まれるところまで来ていることがわかりました。


投資家として、さらに一般消費者としてクリーンミートのことを覚えて今後の動きに注目しておくべきでしょう。


本日は以上です。
ありがとうございました。

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