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【投資信託を始める前に】知っておくべき7つの要素とは【解説します】

2019年1月31日

積立イメージ

「投資信託」は、リスクが比較的少なく、少額から始められて運用はプロ任せ、かつリスクの分散もでき、投資初心者にはおすすめの商品と考えています。

もし「投資信託」に興味を持っている方がいらっしゃいましたら、まずはその「仕組み」と、「どういった商品があるか」を理解したうえで購入することが必要になってきます。

そこで今回は、「投資信託」は「具体的にどのような仕組みでできているのか」「どういった商品があるのか」を7つの要素に分けて解説します。

この記事で得られるポイント

  1. 投資信託の基礎がわかる
  2. 初心者に向いている投資信託の種類がわかる
  3. 初心者に向かない投資信託の種類がわかる

 投資信託の仕組み

投資信託は、「公社債投資信託」という株式を一切組み入れないものと、「株式投資信託」という株式を組み入れることができるものに分けられます。

さらに「単位型」「追加型」という購入方法に分類されます。

単位型は、投資信託が立ち上がる期間(当初募集期間)にのみ購入でき、追加型は、投資信託が運用されている期間中いつでも購入できるというものです。

投資信託の形態には「契約型」「会社型」の2種類があります。

契約型

「契約型」は、証券会社などの「販売会社」と「運用会社」と「受託会社」(信託銀行)が信託契約を結ぶことにより成り立っている投資信託です。

一般的な投資信託はこの形態で運用されています。

会社型

「会社型」は、投資を目的とする法人を設立(投資法人)することによって成り立っている投資信託です。

投資法人は、運用を外部に委託し、運用で得られた収益を投資家に分配します。基本的な流れは契約型と変わりません。

募集方法

続いて募集方法ですが、「公募」「私募」の2種類があります。

「公募」は、多数の投資家に購入してもらうことを目的としており、一般的な投資信託は公募によって販売されているものです。

公募には先ほど説明をした、「単位型」「追加型」のものがあります。

「私募」は特定の投資家や機関投資家に購入してもらうことを目的としています。

大きなリターンを得られる可能性がある分、資本が多く必要になります。

払い戻し

こちらも2種類があり「オープンエンド型」「クローズドエンド型」があります。

オープンエンド型

「オープンエンド型」はファンドがいつでも払い戻しに応じる投資信託のことです。

運用期間中に取り崩すことができるということです。

クローズドエンド型

「クローズドエンド型」は運用中は払い戻しができない投資信託です。

払い戻しを希望する場合は、取引所などを通じて他の投資家に売却することによってのみ可能となります。

つまり、クローズドエンド型の投資信託は、上場投資信託などが対象になります。

運用方針・運用方法

投資信託の運用方法はもっとも重要な要素です。この運用方針でリスクの大きさやリターンの大きさが決定するからです。

銘柄を選定する際にはこの運用方針を必ず確認することになりますので、しっかりと覚えておきましょう。

「インデックス運用(パッシブ運用)」「アクティブ運用」の2種類があります。

インデックス運用(パッシブ運用)は日経平均株価、TOPIXなどの指数変動に沿った運用をするものです。

アクティブ運用は日経平均株価、TOPIXなどの指数変動以上の運用を目指すものです。

アクティブ運用の場合は、銘柄を選ぶ必要がありますので、その選定方法にも2種類があります。

トップダウン・アプローチ

「トップダウン・アプローチ」は、経済をマクロ視点で分析し、次にミクロ視点で分析して銘柄を絞ることで選定する方法です。

つまり経済の動きを見てから銘柄を絞り込んでいくということです。

ボトムアップ・アプローチ

「ボトムアップ・アプローチ」はミクロ視点で企業を分析して有望銘柄を選定して集める方法です。

その選定方法には「バリュー型」「グロース型」の2つの方法があります。

バリュー型

「バリュー型」は、財務分析を行うことで価値が株価よりも高い銘柄(割安な銘柄)を選定していく方法です。

グロース型

「グロース型」は、業績予測を行うことで、将来的な成長が見込める銘柄を選定していく方法です。

分配金について

ここでは分配金について説明をさせていただきます。

投資信託は長期での運用を基本としているため、分配金の取り扱いを事前に確認しておくことは非常に重要になってきます。

分配金受取型

分配金受取型には2通りがあります。

普通分配金

「普通分配金」は、投資信託が運用で得た配当金や利息、売却益などから支払われています。

その際、投資信託の純資産総額が減少することになり、基準価額(投資信託の値段)も下がることになります。

特別分配金

「特別分配金」は、運用で得られた売却益や配当金ではなく、投資するための運用資金である元本から支払われるものです。

運用で得た収益が支払うべき分配金に達していなかった場合、元本を一部切り崩して顧客に分配金を支払っています。

収益だけではなく、元本を一部切り崩していることになるため、投資信託の基準価額(投資信託の値段)は下がることになります。

また、継続的に元本を切り崩して分配していると、時間が経過することに、基準価額が下がっていきます。

簡単に言うと、普通分配金は個別元本(受益者のファンドの購入価額)を上回る部分からの分配金で、特別分配金は個別元本を下回る部分からの分配金です。

再投資型
「再投資型」は、支払われた分配金で同じ投資信託を自動的に再購入することです。

再投資を選択すると、税引後の分配金で購入できる口数だけを自動的に再購入してくれます。再投資を選ぶメリットは、再投資の際に購入手数料が掛からないこと、自動購入で手間がかからないこと、複利効果が高まることです。

一方デメリットは、現金で受け取れない、また税金が掛かるといった点です。

そのため、複利効果をより高めるには、分配金の支払い回数が少ない投資信託を選ぶことが大切です。

無分配型
「無分配型」は、分配金が支払われないことです。無分配型は、運用益を分配金として支払わず、さらに運用をしていくのが特長です。

再投資の場合は分配金に税金が掛かるのに対し、無分配型は売却益には税金が掛かりますが、購入して保有している間は税金は掛かりません。

そのため、再投資よりも無分配型のほうが、税金分だけ多く運用に回せるので、より高い複利効果が期待できるのがメリットです。

デメリットは分配金を受け取れない点で、定期的に分配金を受け取りたい人には向きません。

長期間投資をしたい人に適しています。なお、分配金0円は、単に分配できるほどの収益がない可能性もあるため、無分配型の投資信託は探すときは、目論見書や決算レポートをしっかり確認する必要があります。

投資対象となる地域

投資先がどこを源泉とするかで「国内」「海外」「内外」に分けられます。

海外が投資先になる場合は分散投資の効果を得られますが、為替のリスクも生じてきます。

「内外」とは国内及び海外の資産を源泉とするもので、どの国の法律が適用されるかの確認が必要です。

投資対象となる資産

投資対象となる資産をどの程度の割合で組み込むかで「リスクとリターン」が変わります。

銘柄を選定する際はどの資産がどの程度組み込まれているものかを確認するようにしましょう。

株式

株式に投資する投資信託のことです。国内株式と海外株式があります。株価に連動するので「リスクは高め」といえます。

債券

債券に投資する投資信託のことです。国内債券と海外債権があります。

企業が発行するものを「社債」国が発行するものを「国債」といいます。

比較的「リスクは少なめ」といえます。

不動産投信(REIT)

不動産に投資をする投資信託のことです。

国内不動産と海外不動産があります。

不動産なので「インフレに強い」といえます。

上場投資信託

株式のように上場している投資信託のことです。

「ETF」や「J-REIT」といったものがあります。

「ETF」は、上場投資信託といい、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などに連動する運用成績を目指すファンドです。

「J-REIT」は上場をしている不動産投資信託です。証券所で取引ができます。

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公社債投資信託

仕組みの部分で説明をした公社債投資信託(株式を一切組み入れないもの)ですが、銀行預金のように当日引き出しが可能です。こちらには代表的なものが2つあります。

MMF

マネー・マネージメント・ファンドの略で、毎日決算を行い、国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用します。

購入・換金は1円以上1円単位で行います。

MRF

マネー・リザーブ・ファンドの略で、毎日決算を行い、安全性の高い国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用します。

購入・換金は1円以上1円単位で行います。

ブル型ファンド・ベア型ファンド

先物やオプションなどのレバレッジを利用することで、投資成果を大きくするレバレッジ投資です。

市場の上昇時により高いリターンの獲得できる「ブル型ファンド」、市場の下落局面でもリターンの獲得ができる「ベア型ファンド」があります。

レバレッジがあるため、投資信託の中でも「リスクが高い」商品です。

ヘッジファンド

さまざまな手法を駆使し、好況・不況に関わらず、投機的な投資で利益を追求すると投資信託です。

上記の投資対象への投資に加えて、デリバティブ(先物取引・オプション取引)を使いながら収益を狙います。「ハイリスク・ハイリターン」といえます。

まとめ

以上のように、まずは「投資信託の仕組みと種類」を理解することで、「投資信託」がそもそも自分に合った投資方法なのかを判断していただきたいと思います。

その上で購入する際は目論見書などを見て商品選定をする必要があります。

比較的リスクの少ないといわれる投資信託にもハイリスク・ハイリターンなものや、わかりにくい仕組みになっている商品が多数ありますので注意が必要です。

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本日は以上です。

ありがとうございました。

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